2015年2月アーカイブ

第18回 痛恨の三連敗

 犀川の支流である土尻〔どじり〕川にはいくつかの鴨スポットがある。川幅が狭くて浅いため、流れがわりあい穏やかだから居心地がいいのだろう。日によってムラはあるけれど、あれっと思うような場所にマガモやカルガモの群れがいるのだ。

 ポツポツと集落があるのでどこでもとはいかないが、ところどころ撃てる場所があって、距離的にも30メートル前後まで接近可能。犀川が不調なときに、宮澤さんが鴨を...

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第17回 犀川の鳥たち

 国道19号線を松本から長野に向かって走ると、奈良井川と梓川が合流した犀川が、安曇野・大町を通ってきた高瀬川と一緒になって、より大きな流れを形成していく様子がよくわかる。

 前にも書いたが、ぼくは川面をちらちら眺めながら猟場へ向かうドライブが好きだ。山間部を流れる犀川は、うねるように谷間を進む急流もあれば、川幅が広くなって静寂さをたたえる平地部、流れが止まるダム湖、ダムで水量が...

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第16回 はじめての巻狩り(後)

 セコ役は15名ほどだろうか。雪を踏みしめながら、一直線に斜面を登っていく。一番上を任された若者二人は打ち合わせ前に出発しており、その足跡を追うように、縦一列で黙々と歩いた。ところどころ、鹿に樹皮を食べられた木に出会う。

 互いの姿が見えない山中で猟をするには、無線連絡が必須。大物猟をやる猟師の多くはアマチュア無線の免許を持ち、リーダーの指示によって陣形を整える。もっとも避けな...

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第15回 はじめての巻狩り(前)

 午前6時起床。厚めのアンダーウェアを着込み、昨夜握ったおにぎりと水筒をデイパックに入れて、7時前に家を出た。天候は晴れ。気温はマイナス6度を示している。

 今日は中部森林管理局が主催する"北アルプス山麓ニホンジカ合同捕獲(以下、合同捕獲)"の日。年に2回、複数の猟友会メンバーが協力し合い、害獣駆除活動をするのだ。

 集合場所の松本市安曇支所につくと、猟師が続々と...

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