NIEとはNewspaper In Education(教育に新聞を)の略。新聞を教材として教育に活用しようという運動です。

◆◆第4回長野県NIEセミナー開催◆◆

 長野県NIE推進協議会主催の第4回県NIEセミナーは11月1日、長野市の信毎本社で開いた。ノルウェー、フィンランドのNIE事情視察報告や新聞を授業に使うワークショップがあり、全県から集まった教師など約40人が熱心に耳を傾けた。
 冒頭、渋沢文隆会長(信大教育学部教授)が「NIE全国大会長野大会がいよいよ来年に迫りました。いろいろな可能性を学び、本番に備えたい」とあいさつした。

■北欧のNIE事情報告

 有賀久雄NIEアドバイザー(松本筑摩高教諭)と上野啓祐信濃毎日新聞記者が北欧2カ国のNIE事情について報告した。2人は今夏、日本新聞教育文化財団主催のNIE視察団に参加。スクリーンに現地の写真を映しながら話した。
 フィンランド唯一の全国紙が地下にメディアセンターを設け、高校生らがゲーム感覚で楽しみながら取材や編集を疑似体験している様子が紹介されたほか、ノルウェーでは新聞社と地元の複数の小学校が連携し、児童が記事を書き、写真を撮り、広告も集めたうえで、一般紙と同じ体裁の新聞を発行、大量に印刷し、児童が一人五部ずつ親や近所の人に販売もする取り組みなどが報告された。ノルウェーの関係者は「子どものいろいろな潜在力を引き出せるほか、社会の一員としての自覚が育つ」と話しているという。

■鹿野川喜代美・読売新聞社NIE企画デザイナーによるワークショップ

 ワークショップは、中学教師を長年勤め読売新聞NIE企画デザイナーとして活動している鹿野川喜代美さんが講師。現役教師時代に使ったたくさんの新聞教材を持ち込んで、新聞の写真や広告が生きた教材になることや、一つの記事から生徒の興味関心が広がり取材記者を学校に招いた授業の実施や海外の生徒との交流にまで発展した例などを紹介。「構えず継続して取り組むこと」とアドバイスした。



実践紹介・ワークショップ
中学校教諭時代の資料をふんだんに使い、生徒とのエピソードを交えながら実践例を紹介する鹿野川さん

(2009.1 ながのNIEだより第18号に掲載)
※肩書き・年齢などは掲載当時のものです。