NIEについて
NIEは1930年代に米国の新聞社の提唱によって生まれた運動で、「Newspaper In Education」の頭文字をとった略称です。「教育に新聞を」と訳され、「エヌ・アイ・イー」と読みます。学校、家庭、社会教育の場での新聞活用を活性化させる取り組みです。今や世界60カ国以上で展開されています。
日本では、日本新聞協会が児童・生徒・学生の活字離れや社会的無関心の傾向を改善させる目的で1985年から取り組みを始め、全国規模で推進しています(1998〜2010年度は日本新聞教育文化財団が取り組みを引き継いで運営。2011年3月に同財団は日本新聞協会へ統合されました)。実践校を指定してNIE活動を支援する事業では、全国で500校を超える学校が参加しています。長野県では、協会指定枠10校のほかに、長野県NIE推進協議会が独自枠を設け、2024年度は小中高12校が研究指定校として活動しています。
学校では、新聞を授業に活用することで児童・生徒の学習意欲が高まり、積極的な学習態度が身に付くと評価されています。具体的には、記事や写真、広告を補助教材として使っています。複数の新聞を読み比べることで、同じ出来事でも新聞によって取り上げ方が違うことが分かり、物事を多角的に考える力が培われます。新聞に親しみながら家族と対話することで、コミュニケーション力の育成に役立つことも分かっています。
また、学習指導要領は「思考力、判断力、表現力の育成」「言語活動の充実」をうたい、NIEへの期待が高まっています。新聞界もこれを受け、教育を意識した紙面づくりに力を入れるなど、新聞界と教育界の協力による活動が広がっています。