11月6日 第7回県NIEセミナー
第7回長野県NIEセミナー
柳沢教授のワークショップでは、読み比べを行った=2011年11月6日 |
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立命館大学産業社会学部教授の柳沢伸司さんが「NIEが変える新聞の未来〜『教育』も『新聞』も変える」と題して講演。大学では「学生に考えさせ、答えが簡単には出ない」講義を展開している柳沢さんは、児童・生徒にどうやって「考える力」を養っていくのかが重要だとした。 柳沢さんが多角的な視点が面白いとして紹介したのは、ある学者が他紙の記事を批判的にとらえた記事。ただ「両方の新聞を読めなければ分からない。余った新聞でも古紙でもいいので、学校にごそっと新聞がある環境が望ましい」と話した。 東日本大震災や原発事故に関連した子ども向け解説や評論など各紙を紹介。教員が新聞を教材にする場合、子ども向けの紙面でも「新聞社の考え方が現れているのではないかと考えて使うことが必要」とした。 一方、児童・生徒は教員の顔色を見て対応するので、授業で何を提示するのか、どう示すのかといった点から「先生自身も『メディア』だという意識を持って」と話した。
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読売新聞社長野支局の鈴木英二支局長は「新聞記者の現場から」と題し、サツ回り(警察担当)や社会部時代などの成功や失敗を交えて、新聞記者の思いや考えなどを話した。 転機になったのは、一人の若者の自殺の背景を浮き彫りにした連載記事が行政を動かした経験。自身の姿勢や関心が特ダネから「いのち」に変わり、丹念な取材や地道な積み重ねによるホスピスの企画や医師や病院のあり方を問う報道も披露した。
(2012.1月発行 ながのNIEだより21号より抜粋)
※所属・肩書きなどは掲載当時のものです。