第2回 後輩ができた!

「自分も狩猟免許を取得しました!」

 最近、こんな知らせがちらほら舞い込む。猟師は減る一方だと伝えられるが、その一方で、これから猟師を目指す人もいるのだ。身近なところではカラス好きの女性ライターがわな猟の免許を取得。夫は銃を扱う第1種(空気銃、散弾銃、経験を積めばライフルも使用可能。ぼくも第1種を取得している)を取り、夫婦揃〔そろ〕って猟師の仲間入りをした。埼玉県の都市部に住んでいるので、猟をするには秩父あたりまで出かけなければならないが、それでもやってみたかったのだそうだ。

「夫は散弾銃デビューを狙っています。それで、猟についていろいろ訊〔き〕きたいんですけど」

 おいおい、こっちは空気銃だし、鳥撃ちしかやったことがないのだ。しかも、まだ猟果ゼロ。人に教えるなんてとてもとても。ただ、気になることが。わなを仕掛けたら見回りが必須。都市部に住んでいてできるのか?

「最初はわな猟をやっている方にくっついて基礎を学ぶつもりです」

 いいねえ。夫婦そろって狩猟にハマるようだったら、いずれ猟がしやすいところへ引っ越したくなるはずだ。

  ◇   ◇

 ぼくの地元・松本市に隣接する安曇野市在住のマッサージ師、中野博史さんも狩猟免許を取得。現在、銃砲所持許可を得るために奮闘中だ。面識があるわけではないが、ツイッターでやり取りしているうちに盛り上がり、彼が経営する診療所『キュベレイ』を訪問することになった。

 道に迷いながらクルマを走らせていると、通りで手を振る人がいて、それが中野さんだった。富山県出身で10代後半から東京暮らし。6年ほど前にこちらに引っ越してきたという。ぼくと同じく移住組だが、奥さんの地元でもあり、土地を購入するなど永住の構え。ほぼDIYで診療所を作り、将来的にはこの場所に家を建て、家族や猫と暮らす目標を持つ40歳だ。でも、なぜ猟師なのか。